技術コラム

連載:メタバースと製造現場 
第3回「製造現場におけるメタバースの活用」

メタバースによる製造業のデジタル化・自動化ロボティクス・脱炭素の推進に向けて

製造業のデジタル化・自動化ロボティクス・脱炭素に向けた強力なツールとして、メタバースの活用が始まっています。本コラムでは3回連載で、製造現場とメタバースの相性や期待できることなどを見てまいります。


第2回 「ビジネスシーンにおけるメタバース」をお読みいただきありがとうございました。第3回では、製造現場におけるメタバースの活用を見てまいります。

製造現場におけるデジタルツインとDX

メタバース内にデジタルツインを置くことにより、さまざまな場所にいる人々が空間を共有できるようになりました。そしてこの空間共有は、新たなDXと融合し進化しています。

① デジタルツインとVR
デジタルで再現された世界でありながら、まるで現実のように体感できるVR技術。ゴーグルを装着すれば、仮想空間を360度見渡すことができ、リアルに近い没入感で再現された製造現場に入ることができます。最近ではゴーグルを必要としないスマートフォンを使ったVR技術も進化しています。現場教育の一部を担うこともできるでしょう。

② デジタルツインとIoT
「不良品が増えた」 「機械の稼働状況が悪い」 「メンテナンスが必要」 といった情報は、センサーやカメラなどを通じて、IoT により収集することができます。リアルタイムで寄せられた情報を仮想空間に再現することで、現場目視さながらの確認が可能になり、対策や意思決定、保守計画などをサポートしてくれる強い味方となるでしょう。

③ デジタルツインとAI
収集された膨大なデータをAIで分析し結果を仮想空間で再現すれば、より具体的に捉えることができます。近年ではAIによる画像診断の結果をデジタルツインと掛け合わせて、機器の状況を把握しトラブルを未然に防ぐなど 、多くの場面で利用が始まっています。新たな試みのシミュレーションと掛け合わせれば、高い精度を期待することができます。他にも危険予知をAIに任せ、デジタルツインで退避行動シミュレーションを行うなど、連携プレーにも期待ができます。

安全の追求にも

製造業におけるメタバースの活用が革新的な変化を生み、メタバース活用が大きく進む未来 は容易に考えられます。そのような中、現段階では製造業におけるメタバース活用について、まずはデジタルツインからと考えられる企業も多いようです。

製造業がメタバースにかける期待は大きくとも、現状の製造現場に急にメタバースを取り入れるのは大変なことでしょう。広義のメタバースの入り口としてデジタルツインから導入したり、その備えとしてまずはDX・ITから進めるのも良いかもしれません。

オンラインが急速に浸透したとは言え、いまオフラインに立ち返える企業も多数あります。人と人とのコンタクト、実体験で得られるもの、五感は大切です。一方で安全追求の観点では、メタバースは強力なツールと言えるでしょう。双方を取り入れたリアルコミュニケーションを補完する手段として、期待できると思われます。

お読みいただきありがとうございました

本連載をお読みいただき、誠にありがとうございました。 製造業におけるメタバースの活用、DX・IT・自動化ロボティクス・脱炭素に向けた弊社の取り組みなど、今後も当サイトで紹介してまいります。ぜひご覧ください。

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