技術コラム

連載:リアルハプティクスⓇ 
第3回「力触覚の有用性」

ロボットがモノの感触を感じながら力を加減するために

リアルハプティクスⓇによって、ロボットも人のようにときには力強くときには優しく働きかけることができれば、これまでにない応用先が拓けます。

第2回「力触覚の技術」をお読みいただきありがとうございました。第3回では、リアルハプティクスの強みや有用性を見てまいります。

力触覚の定義

力触覚信号とは、機械的な接触による「感覚」を引き起こす刺激信号で、人の感覚器とは無関係に決まる物理量です。この刺激量は、対象からの反作用力と作用デバイスからの反応速度で求めます。時間の経緯を伴うため変動分で定義し、単位は Ns/m(ニュートン秒毎メートル)です。

この式により刺激信号を定量化し、力触覚をデータとして取得することができました。これを伝送し、位置や力の統合制御の再現と組み合わせて、工学に応用します。

力触覚の有用性

ここで応用先として有用視されている一例を紹介します。

・力触覚 × 遠隔操作
研磨作業など、力加減を必要とする場面
接触したときにわかる表面の凹凸をリアルハプティクスⓇで伝送します。遠方にいる作業者は、手元に滑り具合や引っかかり具合を感じ、器具を押し当てる力加減や仕上がりを調整できます。

・力触覚 × 自動化
悪路走行など、物理特性を認識・分析し反応する動作
ぬかるんだ道や水に濡れた路面など予測の難しい場所でも、タイヤのグリップ力やスリップを感知しながら、最適な駆動やスピード調整で自動走行ができます。

このような遠隔操作や自動化だけでなく、人による手作業の可視化やデータ化・分析、仮想空間における感触再現(VR)などにも応用することができます。

第4回「力触覚の展望」

3月26日掲載の第4回では、製造業における労働力や競争力も交えて今後の展望を見てまいります。ぜひお読みください。

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