GDP関連施設の設計・検証技術

リスクベースアプローチで効率化を追求

温度マッピングセンサーの設置事例

管理強化が求められる医薬品流通体制

近年、医薬品事業のグローバル化に伴い、GDP(医薬品の適正流通基準)への対応が求められるようになり、コールドチェーン等の品質管理や盗難・偽造の防止が課題となっています。倉庫や保管施設など、GDP関連設備はこれまでに主に物流部門や品質管理部門が担当していましたが、信頼性を一層高めるためには、エンジニアリングの視点からリスクの更なる低減を図ることが必要です。当社では、「リスクベースアプローチ手法」に基づいたコールドチェーン対応設備等の設計・検証プランを提案しています。

様々なリスクを抽出し、設計に活かす

この手法は、製品のライフサイクル全体にわたってリスクを想定し、それに応じた適切な業務管理を行うもの。GDPに関しては、ISPE(国際製薬技術協会)からリスクベースアプローチエンジニアリングガイドが発行されていますが、当社もその和訳本の政策に携わっており、同書のノウハウをjobにも活用しています。倉庫、保管施設の設計においては、まず温度、湿度、光など、製品の品質特性に影響を及ぼすリスクを抽出し、計測機器によるモニタリングを実施。例えば、上記の図「温度マッピングセンサー設置事例」のように設備仕様に合わせて温度マッピングセンサーを設置し、温度分布特性を調べます。この他、環境や安全面でのリスクも抽出して要求仕様として取りまとめ、設備の設計に反映していきます。


 

  • ISPE Guide FSE (2011)(2014年日本語版発行)
       Science and Risk-Based Approach for the Delivery of Facilities, Systema, and Equipment
  • ISPE GPG ARM (2011)(2014年日本語版発行)
       Applied Risk Management for Commissioning and Qualification
  • ISPE GPG (2011)

       Cold Chain Management

効果的な検証法で設備運用コストを低減

クオリフィケーション(検証)については、USP(米国の医薬品品質規格書)などをベースに実行計画を策定。キャリブレーション(計測機器の誤差の補正)に始まり、製品搬入前・搬入後の温度マッピングを実施し、停電試験・扉開放試験では製品の温度が管理値を超える時間を計測します。また、季節変動を考慮し、夏季・冬季に温度マッピングを行って、最高温となるポイント、最低温となるポイントでも管理値を超えないことを確認します。

当社はこれらのモニタリングデータを基に、シミュレーションによる熱流体解析技術などを駆使して、効果的なクオリフィケーションを実施。これにより、キャリブレーションを適宜行うだけで、頻繁に温度マッピングを実施しなくても適正な品質管理をすることが可能になります。当社が提供するエンジニアリング技術は、低温保管施設や輸送施設の運用コストの低減にも寄与しています。

空洞システムの熱流体解析例