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自己熱再生技術(Self-Heat Recuperation)

使い捨てから循環へ 三菱ケミカルエンジニアリングの新たな発想の省エネシステム

当社は2013年より東京大学生産技術研究所のコプロダクション研究会に参画し、新しい省エネ技術として注目される「自己熱再生理論」の適用先について検討を始めました。2018年より同大学と共同研究体制で、「自己熱再生理論」を応用し、実際の設備でより使いやすい適用方法を検討しています。自己熱再生理論とは、プロセス蒸気を圧縮すると断熱圧縮によって蒸気の温度が上昇し、圧縮前には利用できなかった熱エネルギーが循環利用できるという原理です。圧縮機を利用するため電力を必要としますが、水蒸気などの熱エネルギーを使い続ける場合と比較しても、ランニングコストを大幅に削減できます。

強み・特長

1自己熱再生理論を適用することで、従来のプロセスを大きく上回る省エネ化および温室効果ガス(GHG)削減を実現します。

2現状の生産プロセスを一切変えることなく導入することも可能です。

3特別な装置を使用しない省エネプロセスとしてご提案します。

自己熱再生の概念図

  • 圧縮時の僅かな電気エネルギーで熱を循環利用(エクセルギー再生)
  • 追加燃料(燃焼)を削減、CO2排出量削減、排熱削減を実現
  • 最大で85%の省エネ化

自己熱再生理論

  • T-Q線図によるエンタルピー解析で、潜熱は潜熱へ、顕熱は顕熱へペアリング
  • T-S線図によるエクセルギー解析によって、プロセス内のエクセルギー破壊を最小化 (エクセルギー破壊=エクセルギーのアネルギー化)
    エクセルギー
    環境温度以上のエネルギー
    アネルギー
    環境温度以下のエネルギー

T-Q線図の事例です。自己熱再生は熱回収ありやヒートポンプと比較しても省エネルギーであることがわかります。

間接式自己熱再生プロセス

プロセス流体と完全遮断されているため

  • 熱回収用熱交換器は既存の材質で対応可能(熱回収設備の腐食リスクなし)
  • 圧縮機の潤滑油問題なし
  • 可燃性流体を圧縮する必要がない(特別な圧縮機は不要で、安全)
  • 電動機は非防爆対応が可能

間接式自己熱再生プロセスでは、塔頂の廃熱を塔底などへ再利用します。特許取得中です。

実績(蒸留プロセスにおいて):概略フロー図

アルコール精製会社様へ導入、従来プロセスと比較して

  • 40%の省エネルギー化(原油換算)・・・既設系列も含む事業所全体の評価
  • 40%のCO2削減(原油換算)

を達成しました。

電気エネルギーを利用して、廃熱から蒸気回収を行い、ボイラ運転台数(燃料)削減、更に蒸気で動力を回収し、電気使用量も削減することにより、従来プロセスと比較して、40%の省エネルギー化(原油換算)と40%のCO2削減(原油換算)を達成しました。

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