プロセス安全

プラントの安全確保のためには、製品の企画開発・設計・製造から廃棄されるまでのライフサイクルにおいてリスクアセスメントが重要です。
当社ではこれまで培ってきた経験や運転の立場に立った安全性評価技術に、プロセス設計技術を応用した合理的なプロセス安全性評価を行います。さらには、安全性評価のみでは終わらず、設計・建設・改造まで含めたプラント設計のための最適ソリューションを提案します。

当社のプロセス安全性評価は主にHAZOP（Hazard and Operability Studies）を用います。HAZOPはプロセスや操作における危険源を抽出するために用いられる安全性評価手法の一つであり、事故要因となり得るプロセス異常の特定にガイドワードを利用し、網羅的な解析が可能です。HAZOPは1960年代に開発された手法であり、これまで世界中で広く活用されている手法の一つです。当社はプロセスエンジニアが主体的に評価を行うため、プロセス内の挙動を理論的に解析し、事故シナリオを構築、評価していきます。
お客さまのご要望により他の安全性評価手法につきましてもご相談により対応します。

プロセスや操作の潜在的な危険性の特定、洗い出しを目的とした定性的な安全性評価手法

プロセス内部の異常や影響を解析するためには、化学、化工、機械、計装など様々な分野の知識と経験が必要となりますが、評価が困難な場合は、当社保有のプロセスシミュレーターによる影響解析や流動解析、高温・高圧時の強度計算など様々なツールを用い、より信頼性の高い解析や評価を提供することが可能です。例えば、調節弁故障時に系内の圧力・温度、相状態がどのように変化するかなど、影響と最終事象の解析が不明確な場合は、ダイナミックシミュレーターなどを活用し定量的に評価することができます。

当社では、あらゆる事象に対応できるOTSを製作することが可能です。また、安全性評価の結果をOTSへ反映させることにより、設計・建設段階での安全思想をオペレータへも水平展開し、プラントの安全運転に繋げていくことができます。近年、現場では自動制御化によってトラブルが減少しオペレータの緊急対応時の経験が不足するという懸念に対し、定常状態に限らずスタートアップ・シャットダウン・緊急停止時などの非定常作業を折り込んだOTSの製作により、現場力の維持・向上を行います。

安全性評価の解析結果（リスク低減策）は迅速に各設計、調達、建設、改造へ反映し、一貫したエンジニアリングをご提供します。
当社主体で解析を行うことにより、お客さまの負荷を低減させつつ、早期の危険発見・安全対策の実施が可能となります。事故の発生リスクを低下させることで安全・安定運転が可能となり、建設コストと運転コストのTotalでのコスト削減に貢献します。