自己熱再生法を用いた省エネルギープロセス

〜新技術を新規および既存プラントへ適用目指す〜

自己熱を循環利用する新たな省エネ技術

当社は2013年より東京大学生産技術研究所のコプロダクション研究会に参画し、新しい省エネ技術として注目される「自己熱再生理論」の適用先について検討を続けています。自己熱再生理論とは、プロセス蒸気を圧縮すると断熱圧縮によって蒸気の温度が上昇し、圧縮前には利用できなかった熱エネルギーが循環利用できるという原理です。圧縮機を利用するため電力を必要としますが、水蒸気などの熱エネルギーを使い続ける場合と比較しても、ランニングコストを大幅に削減できます。

当社モデルケースでも80%の省エネ率を試算

プロセス系内の熱循環を有効に行うための解析手法としては、熱複合線図(Composite Curve)を利用します。単位操作ごとにエンタルピー(エネルギーの次元で、物質の発熱・吸熱に関わる状態量)と温度から成る熱量線を、対象プロセス範囲で複数示したものが複合線図で、各プロセス流体の温度レベルと熱量が確認でき、流体間の熱回収を最適な条件で設定可能です。エネルギー削減率はプロセスによって異なりますが、研究会の試算では20〜85%の削減結果が示され、実証プラントでは85%の省エネ化が実現したとの報告もあり、当社の試算でもモデルケースの蒸留プロセスで80%の省エネ率を確認しています。

各プラントへの積極的なプロセス提案が可能

これまでの検討の結果、当社では「自己熱再生法を用いた省エネルギープロセス」について次のように考察しています。@フラッシュ蒸留、連続多段蒸留にて自己熱再生理論を適用したプロセスが、従来プロセスと比較して最もエネルギー効率が高いことを検証 A当社保有の従来技術の応用で、自己熱再生プロセスの構築が可能であると判断した B蒸留プロセスにおいて、一般的な蒸気単価からも導入効果が高く、積極的なプロセス提案が可能である。次のステップでは、既存蒸留プロセスを中心に吸着や膜分離プロセスでもモデルケースを選定し、導入効果を検討、評価していきます。そして、この省エネ技術を新規および既存プラントへ適用することで、省エネ起業の創出やプロセス改善による原単位の削減からプラントオーナー様の競争力強化につなげていくことを目指していきます。