技術コラム

自己熱再生プロセスの事業化検討

コスト削減で最大の省エネ効果を狙える、自己熱再生技術の構築

省エネ技術として注目される自己熱再生理論 断熱圧縮を利用した技術の概要

製造工程におけるCO2排出量の削減や原単位改善に貢献する省エネルギー化技術、自己熱(エクセルギー)再生技術が注目されています。
この原理は、プロセス蒸気を圧縮すると断熱圧縮により蒸気の温度が上昇し、圧縮前は利用できなかった熱エネルギーが再生し、熱を循環利用できるというもの。圧縮機を利用するための電力は必要ですが、水蒸気などの熱エネルギーを使い続ける場合と比較しても、ランニングコストは大幅に削減できます。
当社プロセスエンジニアリング部では、自己熱再生理論の研究会である、東京大学生産技術研究所のコプロダクション研究会に参画し、本技術の技術評価および実装検討を行っています。

自己熱再生理論は断熱圧縮を利用した技術ですが、従来の蒸気圧縮法より優れた省エネ効果を構築できます。
その手法は、まずプロセス内の熱の状態を熱量線図(T-S線図)で解析し、与熱帯(高温側)と受熱帯(低温側)を明らかにします。ここに僅かな電力を加えることで、低温の流体を熱循環可能な状態に。その後、各熱流体を細かくペアリングすることで最適な熱循環系を構築。この方法で、従来の技術では充分に利用できなかった熱エネルギーが極限まで利用できる、大きな省エネを可能としたのです。

当社では、理論上の最適解、実装コスト、お客さまが得るメリットを考慮し、最も実現性の高いプロセス構築をご提案できます。

お客さまの省エネ化を実現する優れたプロセス

今期、自己熱再生技術を応用したプロセスの採用が決定し、商業スケールの建設プロジェクトとして進行中です。
当社プロセスを採用いただいた理由は、
1. お客さまの従来プロセスと比較して大きく上回る省エネ化が実現できる。
2. 従来の生産プロセスは一切変更せず独立した熱循環系を設けることで製品品質に影響を与えない。
3. 特別な装置を使用せず安全性に優れた省エネプロセスである…などがあげられます。

現在、自己熱再生に関するお問い合わせが増えており、今後もますますお客さまの省エネ化をサポートしていく所存です。また、近い将来、CO2 J-クレジット制度※の本格的利用が開始される見通しです。自己熱再生技術を利用して消費エネルギーを極限まで削減し、CO2排出量削減を実施することで地球環環境保護に貢献していきます。

※ J-クレジット制度とは、省エネ機器の導入などCO2の温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証し、温暖化対策に積極的な企業、団体としてPRできる制度。

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